今日も無事に一日を過ごすことができました。神様有難う御座います!
しかしまぁ、そこそこ長く生きてるとびっくりするようなことがおきますな、ほんと。
だいたい悪い奴ってのは仏の顔して近づいてくる。いやむしろ最初から悪い奴だったわけではない。そして結果として本当に悪い奴だったかどうかもわからない。
そして、チャンスとリスクは背中合わせ。
さらに、最終的には「全ての責任は自分」。無知な自分が悪かったという結論に行き着くんだけど、特に、人の善意や責任感を平気で利用する人にはご注意を、って話です。「いい人」なだけじゃ世の中渡っていけませんぜ。
今日のお話はざっくり言うと、「夢のドリームチャンス!と思ったら、めっちゃ苦労してストレスで死にそうになった挙句、200万円失った上に失業→鬱の発症寸前へ」…という内容になっておりますw
なにがこの結果をもたらしたのか、そのポイントもプチ解説するので人生の中で「うまい話」やら「一生に一度のチャンスと感じる話」が来た時の判断材料にして下さいまし。
ある日突然、旦那が社長になった
事の発端は、これ。ただのサラリーマンを長年やってきた旦那に、突然舞い込んだ「社長」話。
ある事業で成功している人が、さらに別のビッグプロジェクトを立ち上げるため既存の事業を任せられる人を探している…と。その話を私に持ってきた方がこれまた巷では「成功者」と言われ崇められているちょっとした有名人で、私はたまに旦那のことをその人に話していた(変な人脈だけは持っている私)。で、その人の中ではうちの旦那は「信頼できる男」という位置づけになっていたらしい。
そんな筋からの話だったから、間違いはないだろうと考えてしまった。これがまず第一のミスだ。
※ポイント①「この人の話なら、間違いないだろう」という思考停止状態。
↑…これ、危険。その人の社会的地位とか信頼性とかを頼りに、自分の意志で判断できてない。いわゆる「色眼鏡」で判断してしまっている。フィルターがかかっちゃってるもんだから、正確な判断ができないことが多い。「いい筋からのうまい話」には要注意!
もちろん、その人も「これはいい話だから、ぜひ伝えてあげよう」という善意で情報を持ってきてくれているし、悪い結果になるなんて思ってない。その時点では未来は何も決まってない。良くも悪くもなる、ただの一つの情報にしか過ぎない。ある人にとっては凄いチャンスかもしれないし、ある人にとってはゴミ情報かも知れない。
だから、その話に乗るのも乗らないのも、どちらでもいい。
ただ、「この人の話だったら…」という思考をやめましょう、ってこと。もっと自分の頭で考えるべし。自分の心に聴くべし。
本当に自分がやりたいことなのか?冷静な判断ができているか?
これで人生変えられるかも…そう思ったら本当に人生が変わったw
で、この突然舞い込んできた「社長話」に、旦那も私も、ちょっと夢をみてしまった。
ちょうどその頃、会社の中で色々あって、これからどうなるんだろう?このままで大丈夫なのかなー?と漠然と考えていた時だった。
今までただのしがないサラリーマン。超弱小企業でいつどうなるかの保障もない。キャリアは長いから仕事はすっかりエキスパートだけど、職種がマニアックすぎてつぶしがきかない。給料も上がる見込みはないし、ボーナスも少ないし、退職金もほとんどない。
で、極めつけは、「仕事が楽しいと思ったことがない」ということ。
旦那の頭の中は基本、こうなっていた↓
「仕事なんて楽しいものじゃない。やりたいことが仕事に出来る人なんて世の中に1%もいないでしょ。我慢しててお金もらえるならそれでいいじゃん。このまま一生終わるんだろうなーと思うけど、別にそれはそれでいいんじゃないの。」
でも、出世とか地位とか名誉とか全く無縁に生きてきた彼に、いきなり現れた「社長」の二文字。
「社長」
「社長」
「オレが社長?!」
今まで欲をどこかに置いてきてしまったかのような悟りの境地だった旦那の頭の中に、「もしかしたら、人生って変えられるのかもしれない。これで俺の人生も変わるかも知れない」…という思いが湧いてくる。
よく聞きますね。「思考は現実化する」…はい、その通りです。思ったことは現実になるんです。本当に、なっちゃうんですよ。いいことも悪いことも。
実際、旦那の人生は、ここで大きく変わりました。平和で平凡な毎日から、急転直下、苦難の待ち受けるいばらの道へと…。
※ポイント②人生は思った通りになる→ただし良い方にとは限らない
人の人生は、一瞬一瞬の決断の連続だ。
旦那はこの話を自分の人生を変えるチャンスと考え、挑戦してみることにした。何しろ出世どころか、いきなり「社長」だからねwサラリーマン社会で生きてきた旦那からしてみれば、まさにサクセスストーリーの主人公だ。
そして、旦那は「社長」になった。その業界のことも、仕事のやり方も何もわからないのに。最高責任者になっちゃった。
しかも、社員が何人もいて、人間関係や心のケアがものすごく大事な仕事だった。そんな職場に、何もわからない、何もできない男がいきなり「社長」としてやってきたもんだから、それは現場にとってかなりの抵抗と反発を生むだろう。
サクセスストーリーの主人公から、一転して、ドタバタ喜劇、もしくは不幸な男の物語へと変わる。
人に変えてもらう人生か、自分で切り拓く人生か。同じ「変わる」でも大違いだ!
なにしろ、旦那は名ばかりの「社長」。単なる雇われ社長。給料だって普通のサラリーマン程度(むしろ前職より減るという…)。ただ、名刺に「社長」って書かれて、「今日から社長になりました」って挨拶するだけ。実際は、オーナーの言う通りに動くハリボテ君だった。
だって何もわからないんだから。とにかくオーナーの言うとおりにするしかない。そしてそのオーナーのやり方が、これまた強烈だった。超ワンマンなわけ。だから社員はみんないつも文句をブーブー言っている。職場の空気が非常に悪い。現場のスタッフからはクレームがガンガンくる。今まで言えなかったけどこのハリボテ君には言えるからねーとばかりに。まさに旦那は板挟み。
しかも、入ってみたら財務状況が超レッドゾーンの会社だった。とにかくお金が足りていない。人も足りてない。求人広告も出せないので常に現場のスタッフにシワ寄せが行き、ブラックな労働を強いることになってしまっていた。まさに負のスパイラル!
※ポイント③何か一緒にビジネスをやろうと考えるなら、相手の財務状況は事前にしっかり調べるべし。
お金も尽きそう、人も離れそう…。そんな会社だった。
でもどこかで、自分はそんな職場の空気を変えるいいきっかけになれるかも知れない、と旦那は自分が貢献できそうな事を考えた。できるだけ現場スタッフに寄り添って、心のケアをしたり業務改善を提案したりした。しかし、そういう「いい人」なところがあったもんだから、少しずつオーナーの思惑通りに動かなくなってくる。倫理観、正義感の強いハリボテ君は、モラルを無視したオーナーの考え方にどうしても従えなくなっていく。言う通りに動かないハリボテ君に、だんだんオーナーもイライラしてくるわ、現場寄りになっていくことでコストが増え業績も悪化してくるわ、で色んな歯車が狂いだした。
そして、いよいよスタッフの給料が払えない!というピンチが押し寄せ、ハリボテ社長は銀行の融資課を駆け巡る日々になる。しかし融資がおりない。給料が払えなかったらスタッフは辞めてしまう…とにかくそれだけは避けなければならない。
…そして、ついにXデーがやってきた。
「従業員の今月分の給料を立替えてくれ」
融資も引っ張れない、業績も悪化したのは社長であるお前の責任だ…と、オーナーは言い放った。
ハリボテなのにいまいち思い通りに動かないもんだから、オーナーは「責任はお前にある。私の言うとおりにしてればうまくいったんだ」と。そして、給料が遅れたり払えなかったりすれば恐らくスタッフはすぐにいなくなる。そうなれば会社は完全にTHE ENDだ。その責任が取れるのか?…と。
ちなみにその立て替え金額がざっと200万円也。
さあ、どうする?…と追い込むオーナー。俺のせいで…俺が無能だから…と自分を責め続け、逃げ場のない状況へとさらに自分を追い込んでいく旦那。
現場でがんばってくれているスタッフさん達に迷惑はかけられない。オーナーからは「一時的に立て替えてくれ、いずれ返すから」と言われている。きっと返してくれるはずだ…
そうして我が家のなけなしの貯金からこの200万円が消えていった。
もちろん、その後、1円も返ってきてはいない。旦那はこの後社長を降り会社もやめたのだけど、それ以来オーナーからの連絡は一切なしだ。
…てか、この話の展開どうよ?どの辺からおかしくなってる?もうほぼ洗脳状態になってるよね。そもそも最初から旦那は利用されてたんじゃないかとすら思える。もうお金も借りられないオーナーは代わりに借りてくれる人なら誰でもよかったのか?でも借りられなかったから、本人にお金を出させた…そういう単純なお話だったのかも知れない。ま、真相はわからないけどw
この後、旦那は半鬱状態でしばらく廃人のようになって生きてたんだけど、このどーにもサイテーな経験さえも、その後の人生にとって大きな学びがあったことを後々知ることになるんだよね。
しかも、フツーじゃできないような経験ができた。常識的に考えればぶっ飛んだ話だったし、精神的にも金銭的にもあそこまで追い込まれることって、なかなかないだろうし。極限状態を経験し一度落ち切ると、復活した時に人は結構強くなっている。
考えてみれば、たったの200万円だし。ちょっとした自己啓発セミナーに参加するより安いかもしれないよ。
ホント、全ての出来事に良い悪いはない。どう捉えるか、だけだ。
ちなみに、これだけは言っておきます。
※ポイント④貸したお金は返ってこない。
これ、ほぼ100%そうだと思った方がいいよ。特に大金になればなるほど、ね。
おわりに
ま、今となっては我が家の笑い話の一つになってるこの事件。…とは言え、今も続くサバイバル生活の発端となる出来事だったのは間違いない。
ここからすべてがすごい勢いで変わっていったから。
だけど、その変化は全て「自分で決めている」。いつも自分の決断だ。
あの時こうしていれば…とかそういうのは存在しない。未来に不安や恐怖を感じるのが「妄想」だと言ったように、過去の行動を後悔するのも「妄想」、亡霊に話しかけてるようなもんだ。まったくもって意味がない時間。
それと、変わるためには今までと同じことをしていたらほぼ何も変わらないと思った方がいい。旦那は思い切って、ロープのないバンジージャンプを飛んだようなものだ。そのまま深い谷の、底の見えない川の中に一旦沈んだけど、見事水面まで這い上がってきた。その勇気には拍手喝采だ!やったこともない奴に何言われたって怖くねーぞ!
ちなみに、もうロープはないから元いた場所には戻れない。いやむしろ戻る必要がない。そこから行ける、新たな新境地へと突き進めばいいのだから!そうしたら今までとは別の景色が見えてくる。
いいも悪いも結果は後からついてくるわけでこの先どうなるかはさっぱりわからないけど、人生が変わるほどの事件に遭遇できたんだから、なかなか面白い人生だ。
人はどんどん図太くなっていく。逆境さえも楽しめるようになったら、人生怖いものなしだよ!